感情とお金

娘と息子が妻の実家におり、三重県に来てから始めて妻とゆっくり二人で過ごしています

 

徳羊舎の濵田です

 

『セイラ―教授の行動経済学入門』、学んでいきましょうか

第三章「不公平なら断ってしまえ」という意思

結論から言ってしまうと、人は「自分に利益があるとしても」、

不平等を感じると感情で動いてしまう」ということです

実験

金額はざっくりと日本円で単純化しますね

 

1,000円があるとします

それを二人で分配します

 

片方が分配額を自由に設定します

0~1000円の間で自由

 

もう一方は、その分配額を「受け入れるか」選択できます

拒否したら、二人とも一円ももらえません

結果

分配の提示額でもっとも多かったのは、

半々」(21例中7例!!)

つまり、500円と500円で分配しようと

 

250円以下の提示額になると「拒否」する傾向が見られました

それは当然なのか?

250円でもタダでもらえるわけですから、もらった方が得ですよね

でも、実際は「拒否される」

 

つまり、

損得以外の理由」が人の経済行動に深く関係していることが分かります

侮辱されたという感情

「不公平に思える賞金の分配案を受け入れるくらいなら、受け取らなくても惜しくない」と言っているのだ。

(『セイラ―教授の行動経済学入門』、リチャード・セイラ―著、ダイヤモンド社、2017年、40頁) 

 不公平に感じても、自分の利益にしかならないなら、受け取る方が「合理的」です

でも、「不公平だ、なめられている」という感情の方が勝る

 

人は「合理性」(だけ)ではなく、「感情」で経済活動を行っているというのが、行動経済学が発見したことなのかもしれませんね

実際の仕事で

実験と違って色々な要素が絡んでくるので、公平な配分も500円と500円にはならないですよね

 

例えば、1000円を調達するにあたって、二人の人にはかけたコストの違いがある

そのコストに基づいて、700円と300円に分配するのがwin&winの場合もある

 

ともかく、提示者側に立つなら、

「相手に侮辱された、なめられている」という感情を持たせてしまうと、交渉が破綻して、お互いに利益が損なわれることがあり得ると

 

受け手の側に立つなら、正当な利益を得たいなら

「感情ではなく、そろばんをはじけ」ということになります

 

当然なことのような気もしますが

ともかく

人は「合理性と自己利益」だけに基づいて経済活動をしているわけではないと

 

経済活動には「公平性」という原理が働いている

それは提示者にとっても、受け手にとっても同じこと

 

交渉相手に対して自分が有利な、そして強い立場にあるとき、公平性を無視することは損得の面だけから行っても、得策ではないんでしょうね

 

逆に自分が弱い立場にあるとき、感情に支配されずに実を取りに行く必要があるのかもしれません

もちろん、振りすぎる提案は拒否すればいいだけですが

 

こう考えてくると、

「win&win or No deal」(双方の利益を最大化する結論でなければ取引しない)

という、『7つの習慣』を書いたコヴィーさんの教えが思い出されます

 

今日の用語でコヴィーさんの言葉を言い換えると、

取引は強い立場にあっても、弱い立場にあっても、公平性の原理に基づいて厳格に行え」ということになるのかな

 

それではまた!!