その体重計壊れてないか?
徳羊舎の濵田です
早速『セイラ―教授の行動経済学』の第二章、学んでいきましょう
協調戦略 人はいつどんな理由から協力するようになるか
ゲーム理論
ゲーム理論というのは1944年に経済学の中で生まれた研究方法です
一言で言えば、経済行動を、
「数字」(数学)で分析・考察します
前回、行動経済学とは「心理学的な方法」を使って、人の経済行動を解明することだと書きました
その心理学的な分析を行う「前段階」で、「数学」を使うんです
「実験によるデータ」がなければ心理学も役に立ちませんしね
実験してみましょう
セイラ―さんはある「公共財ゲーム」という実験の結果を紹介しています
公共財というのは例えば「道路」とか「役所」とか、みんなのもの、公共の財産
本では「ドル」で書いてありますが、分かりにくいと思うので、
1ドル=100円
ということにして書いていきます
参加者は4人(その辺の大学生??)
1人に渡される金額は500円
0~500円を拠出可能
リターンは全員の拠出総額×2(つまり全員で投資した総額の2倍が返ってくるということ)を参加人数で等分
(税金っぽいですな)
例えば、4人全員が500円を拠出すると、
500円×4人(拠出者)×2÷4人(参加者)となるので、各自1,000円を受け取ることになります
古いゲーム理論の矛盾
古いゲーム理論は、古い経済学と同じで、基本的に人間を、
「合理的かつ自己利益優先の経済活動を行う」と仮定します
たぶん、昔はこの経済学の前提に政府の政策とか、企業のマーケティングも影響を受けてたと思うんですね
「合理的かつ自己利益優先の経済活動」を皆が行うと仮定すると、ある意味最も合理的に自己利益を最大化する方法は以下の通りになります
「自分は拠出0、他の3人が500円拠出」
とすると、
500円×3人(拠出者)×2÷4人(参加者)=750円
ということで、4人はそれぞれ750円を受け取ることになり、拠出0の人は手元に500円残っていますから、1250円を手にすることになります
仮に他の3人の拠出が0だとしても、自分が拠出しなければ損はしません
それどころか上手くいけば「ノーリスクで」儲けられる
これが古い経済学とゲーム理論が前提にする人間像ですね
つまり、
「拠出0」の人が一番多くなるだろうということになります
実験の結果
「平均すると40~60パーセントを拠出」
つまり、200~300円
めんどくさいので、全員が250円拠出したことにしてみましょう
250円×4人(拠出者)×2÷4人=500円
各自が受け取るリターンは500円
でも手元に250円残っているので、合計して750円
もともと持っていた金額の1.5倍です
これが100万円手持ちだったら150万円になるわけですから結構でかいですよね
これは実験を回数を増やしても、各自の手持ちを1000円にしても、参加人数を80人にしても同じだったと(拠出のパーセンテージが)
一例だけ、40~60パーセントの範囲に収まらない例もあったようです
人は「合理的かつ自己利益優先の経済活動を行う」という経済学とゲーム理論の前提、前提と言うからには、
「そこからスタート」するわけですよね
つまり、
「前提が間違っていると予測が壮大に外れる」ということ
実際、「合理的かつ自己利益優先の経済活動を行う」というモデルには当てはまらない行動を人はすることが実験によって確かめられています
(もちろん、拠出0で1,250円をかっさらおうとする人が少しはいることも確かです)
次回
次は、「なぜ人は40~60パーセントの拠出をするのか、そこにはどのような要素が絡んでいるのか」、一緒に学んでいきましょう
何度か地味な学びが続くと思いますが、根気よく行きましょう
3・4回やるうちに面白いことになってくるかと思います
あとですね、この学び、
「自分で電卓を打たないと」
中々頭に沁み込みづらいと思います…
僕も電卓使って実験の数字を一々確かめてます
(そろばんでもいいですね)
(電卓必要としない人はうらやましいです)
それでは!!